亜鉛の存在は古くから皮膚の炎症や創傷を治療する軟膏に使われてきました。その亜鉛が人体において非常に重要であることが初めて報告されたのは1963年のこと。イランの一部の地域で当時は風土病と言われた小人症の男性の治療でした。
彼らは20歳を過ぎてもどう見ても10歳にしか見えず、明らかに発育不全でした。その上、貧血、性腺機能低下症、肝脾腫、皮膚の粗さ、精神的な敏感などの症状が見られたのです。
その原因はまもなく食事にあることが明らかになりました。彼らは亜鉛の吸収を妨げるフィチン酸という成分を含んだ未発酵のパンを食べていたのでした。さらに、亜鉛を多く含む動物性たんぱく質をあまりとっていなかったのです。こうして亜鉛の必要性がわかり、亜鉛を彼らに投与することによりこの小人症は著しく改善したのでした。

